2015年度 海洋学実習U
LEG B 5月25日(月)〜29日(金)
観測データ
CTDデータ:ダウンロード
ODV3.4ソフトウェア:ダウンロード
ドイツ・アルフレッドウェゲナー極地研究所のOcean Data View (ODV)ソフトウェア対応(ver3.4)の形式にしています。
ODVの使い方は、2008年度「環境システム科学演習(廃止科目)」
の環境システム科学演習 後半Dの資料をご覧ください。6ページ以降の部分です。
※この演習では、CTD観測塩分を採水&サリノメータ―にて分析した塩分で校正する方法を説明しています。
また、WOCE(World Ocean Circulation Experiment)のデータ、北極海のデータを用いて、
世界の海のどこで深層水が形成されるのか?、海洋力学高度場(地衡流/海洋循環場)などの作成、
など、自身で調べる課題を出しました。
観測期間前後の状況
5月18日から6月1日までの海面水温の変化(クリックで拡大)
結構、面白い瞬間を捉えていたんだなと、思います。
海洋学の実習として、物理、化学、生物の様相が連動しており、
そのままの海が一期一会の最良の実験室であった!
遠州灘沖にあった冷水域(渦)が切り離され、亜熱帯循環に取り込まれようとしています。
時計回りの亜熱帯循環に反時計回りの渦(度)が入りこむことによって、亜熱帯循環が
強まりすぎないように調節されている一つの過程です。銚子沖の黒潮続流では、
亜熱帯循環にある水(時計回りの渦度)が亜寒帯循環に、
亜寒帯循環にある水(反時計回りの渦度)が亜熱帯循環に取り込まれることによって、
いわば、バーター取引を行いながら、亜熱帯循環、亜寒帯循環が暴走しないよう
準平衡状態を保とうとしています。
別の見方をすれば、蛇行部分の東西波長が短くなり、東に移動しています。
これには、ロスビー波の性質が関与しており、波長の短い波ほど、西へ伝播する速度が
小さくなることに依存しています。
海洋流体力学や海洋物理の講義でこのあたりの仕組みについては説明されると思うので、
興味のある学生は、どうぞ。
Leg B 観測日(5月26日)の状況(St.1-St.7の観測点は予定通り実行) -- クリックで拡大
2015年5月26日の海面水温分布と実施観測点 Chl-aと実施観測点 Chl-a相模湾・東京湾付近
St.2
でのクロロフィル、栄養塩がSt.3以降と大きく異なっていたことも納得できますね。
黒潮の蛇行というよりも、蛇行が渦になり、St.4までは南向きの流れになっていたことも分かります。
St.2で捉えられた水は、外洋の変化が湾の水を引きずり出した!
その瞬間を捉えていたことが良く分かります。
リンク:PPT
Leg B の計画(あくまで好天の場合の案)
◎行動予定(wordファイル)、◎変更案:行動予定(wordファイル)(5/21up)
◎観測点マップ(マップをクリックすると、大きな図が開きます)
2015年5月18日の海面水温分布と予定観測点 海底地形と予定観測点 波浪予報(2015年5月21日03:00を初期値とした予報)