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超電導の電磁力応用

バルク超電導磁石の着磁技術の研究

超電導体の結晶のかたまりをバルク超電導体といいます。 バルク超電導体は磁化することで、永久磁石の10倍以上の磁場を発生することができます。 超電導体の磁化方法には2種類あり、1つは定常磁場着磁法、もう1つはパルス着磁法です。 一般的には定常磁場着磁法が使われていますが、機器応用を目指した場合にはシステムが大型になってしまい実用的ではありません。 このため、着磁装置がコンパクトであり、モータのような機器の中で磁化することができるパルス着磁法が注目を集めています。 そこで、私たちの研究室ではバルク超電導モータの性能向上のため、モータ内部においてパルス着磁法の基礎研究を行っています。
バルク超電導磁石材料の高性能化と磁場収斂技術の研究

2009年、従来から継続してきたバルク高温超電導体の研究では、新たな磁束ピン止め効果を生成する磁性粒子を見つけました。       これは2009年の学会誌のハイライトになりました(iopscience.iop.org/0953-2048/page/Highlights%20of%202009)。                現在、これにともなって新しい磁石の開発を進めています。                                                    通常、バルク超電導磁石は中に常伝導相が細かく均一に分散されています。 それは、常伝導相に磁束線を捕まえるためです。 この常伝導相のことを磁束線をピンで固定した様に見えることからピン止め点と呼ばれています。 現在、磁束線の太さは約2 nmで、それに対しピン止め点はマイクロオーダ(μm)で非常に大きいため、ピン止め点をナノオーダ(nm)にすれば飛躍的に性能が向上すると考えられています。 そこで私たちの研究室ではバルク超電導体のピン止め点をナノサイズにすることと、常伝導物質として磁性をもった粒子を添加して 超電導磁石特性を向上させることを目的とし研究を行っています。
推進動力用超電導モータの開発

バルク磁石を用いたアキシャルギャップ型超電導モータ

上記のバルク磁石を用いて、小型で高トルク、しかも省エネのモータを目指し、開発を進めています。 超電導モータでは従来の同じ出力のモータに比べて、大きさは1/3、質量は1/2ほどまで小型化できます。 超電導モータの開発には様々な知識が必要で、同期機に関する知識だけでなく、バルク磁石を冷却するための冷凍機(クライオクーラー)、軸と軸受けの間の摩擦(トライボロジー)など、幅広い知識が必要となります。 現在、関係メーカーと本格的に共同研究を進めています。

Bi線材の超電導コイルを用いたアキシャルギャップ型超電導モータ

超電導のかたまりではなく、超電導の線材を用いた超電導モータです。 構造は上記のモータのバルク磁石の部分にBi系超電導線材を用いたコイルへ置き換えて回転界磁としています。 バルク磁石は狭い空間に強磁場を発生することを得意としているので、バルクモータは小型船をターゲットにしています。 それに対し、線材モータはマグネットコイルを大型化できるので中型船への実装を目指しています。 平成16-19年度まで、(独)鉄道・運輸機構の基礎的研究制度により研究を進めました。また、平成19-21年度まではNEDOの支援を受けて、超電導モータのプロトタイプのコアおよび周辺技術で多くの成果をあげました。この NEDOのエネルギー利用合理化戦略開発プログラムでは、川崎重工業、海上技術安全研究所等との共同研究体のもと、 超電導の線材を巻線するコイル化技術に集中しました。       2010年には、グループとしてメガワット級超電導モータで国内最高出力を達成しました (www.khi.co.jp/news/detail/20101101_1.html)。
広い意味での超電導の回転機および磁気分離やへ再生エネルギー利用発電機器への応用研究

バルク磁石の急激な磁場勾配を利用して、汚水や海水の浄化をします。 近年、IMO(国際海事機関)の規制により船の張排水であるバラスト水の船内浄化が必要になってきました。 私たちの研究室ではバラスト水の浄化のため、バルク磁石を用いた磁気分離装置の独自技術の開発を目指しています。研究グループは、超電導モータを 発電機として開発して自然エネルギーを利用した発電、海流や潮流発電に利用できないか検討を重ねています。。 また、ひろく省エネルギーの究極材料としての利用の方法や機器開発に挑戦していきます。