浸水センサーの作成

水漏れを検出するセンサー「浸水センサー」を作成した。

機能

・電極が水によって濡れると導通してLEDが光ると同時にリレーをONする。(リレーはC接点となっている。)
・青い可変抵抗を矢印の方向に回すことで感度を調節できる。
・外形は本体47mm×72mm、電極20mm×60mm

回路設計

・作製した電極を水道水で濡らして導通させたところ、電極が乾いているとき抵抗値は無限となり、完全に短絡している。電極が濡れているときの抵抗値は濡れている度合いによっても変化するが100[kΩ]とした。
・増幅器を単一電源で駆動するため、オペアンプを非反転増幅回路とする。
電極と可変抵抗を直列に接続し、可変抵抗に印加される電圧を増幅する。
・非反転増幅回路の出力をコンパレータによって1ビットの信号にする。このときコンパレータの基準電圧は電源電圧の半分である6[V]とする。
・比較器の出力電流ではLEDとリレーを駆動することはできないので、比較器の出力によってトランジスタをON、OFFしてLEDとリレーを駆動する。

以下に抵抗値の計算過程を示す
・基準電圧Vref=6[V]の時、分圧抵抗Rを1[kΩ]とすると抵抗で消費する電力Pは

 

となる。使用する抵抗は1/2[W]のため、定格範囲内である。
・下図に示す非反転増幅回路の増幅度Avは式(1)のように現せる。

 

 

・Rf=100[kΩ]、Rs=1[kΩ]とすると、増幅度Avは式(1)から101となる。
・非反転増幅回路は通常時に0[V]を出力し、浸水を検出したときに約12[V]を出力する。
・比較器によって入力信号が6[V]未満のとき0[V]、6[V]以上のとき約12[V]を出力する。
・以上から電極抵抗と固定抵抗によって電源電圧を分圧して非反転増幅回路の入力電圧Viとする固定抵抗値を算出する。電極抵抗値R1、固定抵抗値R2とすると、R2の端子電圧がViとなる。R1が100[kΩ]で非反転増幅回路の出力電圧Voが6[V]となり、比較器で約12[V]を出力するためには以下の式を満たすR2を求めればよい。

 

上式の右辺はR2の端子電圧、左辺は非反転増幅回路の入力を現している。
式(1)より

 

式(4)よりR2は

 

このことから、R1=100[kΩ]のときR2が500[kΩ]以上で浸水を検出する。
よって、R2は1[kΩ]の半固定抵抗を使用して浸水検出感度を調節可能にする。
・LED、リレーの電流制限抵抗はそれぞれ390[Ω]、100[Ω]とした。

・出力端子の1,2ピンがB接点、3,4ピンがA接点とする。
・以上を考慮して下の回路を作製した。



基板のガーバーデータ


使い方

1 電極コネクタの装着

図3のように「電極」と書いてある端子に電極から伸びているコネクタを挿します。

2 出力端子コネクタの装着

「A接点」と書いてある端子にコネクタを挿します。

3 電源コネクタの装着

図4のように「12V電源」と書いてある端子に電源コネクタを挿します。

4 電源の投入

電源プラグをコンセントに差し込みます。

図 3 電極の接続

図 4 電源の接続

現在は超音波の水槽の浸水チェッカーとして活用されている。

データファイル
作製に使用したデータファイルを以下からダウンロードできます。

浸水センサー回路図(circuit_diagram.pdf)

浸水センサーガーバーデータ(circuit_gerber.zip)

浸水検知板ガーバーデータ(electrode_gerber.zip)

2018年04月02日