東京海洋大学では、毎年海の日に「海の日記念行事」を開催している。
田原研究室では今年度(2016年度)、この海の日記念行事にて、「光の工作」と題し、簡単な工作教室を催すことになった。
工作の題材として、暗くなると光る「LEDピンバッジ」を開発した。
![](../img/pinbadge_movie_l-compressor.gif)
特徴
・光センサーが付いており、暗くなるとLEDが光る。
・LEDは、イルミネーションフルカラーLEDを使うことで、色が変化する。
・LEDは、型に入れ、レジン液を流しこみ紫外線で固めることで、ハート型や星型にできる。
・裏面には、名札用クリップがつけられており、服やカバンに取り付けることができる。
・基板には、東京海洋大学のマークが印字されている。
回路図および基板のガーバーデータ、作り方を公開する。
回路図
![](../img/pinbadge02.png)
・フォトトランジスタ(Q1)は、光が当たると電流が流れやすくなるという性質がある。
・フォトトランジスタに光が当たらなくなると、電流がNPN型トランジスタ(Q2)のベースに流れ込み、NPN型トランジスタのコレクタ・エミッタ間に電流が流れ、LEDが光る仕組みである。
・バッテリー(BT1)には、ボタン電池CR2032(電圧3V)を使用する。
・電源電圧が3Vと低いため、LEDに電流制限抵抗を接続すると光らない可能性がある。そこでLEDの電流制限抵抗(R2)は省略できるよう、はんだジャンパ(JP1)を用意した。
基板のガーバーデータ
![](../img/pinbadge03.png)
左がおもて面、右が裏面
・大きさ 縦55mm 横23mm
・キーチェーンを通すための穴(Φ3)付き
・パターン(配線)はおもて面のみ
・シルク(印字)は裏表両面にあり
ガーバーデータはこのページの一番下からダウンロードできる。
必要な道具
・はんだごて
・はんだ
・ニッパ
・ラジオペンチ
・シリコン製の型
・紫外線照射機(レジン液を固めるために使用する。照射機がない場合は、太陽光で固めることもできる。)
・グルーガン
必要な材料
・LEDピンバッジ基板(ガーバーデータはこのページの一番下からダウンロードできる。)
・レジン液
・名札用クリップ
・LED (おすすめはイルミネーションフルカラーLED) 秋月電子通販コード I-02766
・フォトトランジスタ L-31ROPT1C 秋月電子通販コード I-04213
・トランジスタ 2SC1815 秋月電子通販コード I-04268
・100kΩ抵抗 秋月電子通販コード R-07853
・ボタン電池基板取付用ホルダー 秋月電子通販コード P-00706
・リチウム電池 CR2032 秋月電子通販コード B-05694
各1個ずつ
作り方
1.材料(電子部品)を確認する
2.下の写真のように部品をはんだ付けする
【重要】
・フォトトランジスタ(Q1)は足の長いほうが左
・トランジスタ(Q2)は型番が書いてある面が左
になるように取り付ける
・100kΩ抵抗(R1)はどちら向きに取り付けてもよい
3.「JP1」の部分には、余った線を曲げて付ける
4.裏面に、ボタン電池基板取付用ホルダーを取り付ける
・取り付け向きに注意
・はんだ付けはおもて面にする
5.LEDの足を下の写真のように曲げる
・足の長いほうと短いほうが逆にならないように注意
6.型にLEDを入れ、レジン液を入れる
7.型を紫外線照射機に入れ5分待つ
・太陽光で固める場合は30分程度
8.LEDを型から取り出して裏返し、再び紫外線照射機に入れ5分待つ
・太陽光で固める場合は30分程度
9.LEDの足を下の写真のように、曲げた部分を元に戻す
10.LEDピンバッジ基板の「D1」の部分にLEDをはんだ付けする
・足の長いほうが下になるよう取り付ける
11.LEDをグルーガンで基板に固定する
12.名札用クリップをグルーガンで基板に固定する
13.リチウム電池CR2032をボタン電池基板取付用ホルダーに取り付ける
14.完成
・周囲を暗くするとLEDが光る
![](../img/pinbadge_movie_l-compressor1.gif)
イルミネーションフルカラーLEDを使用しているため、色が変化する
詳細は以下の資料をご覧ください
LEDピンバッジ基板ガーバーデータ(ZIPファイル)
このファイルをダウンロードし基板を製造される場合、設計者が泣いて喜ぶので本研究室メールアドレス宛にご一報ください。
部品リスト(PDFファイル)
LEDピンバッジを作るのに必要な部品のリストです。
海の日記念行事用配布資料(PDFファイル)
「光の工作」の参加者の方に配布した資料です。