桑田敬司(Keishi Kuwada) 東京海洋大学 ターボ動力研究室
当研究室のテーマは大きく2つあります。1つ目は過給機の安全関係、2つ目は蒸気タービンプラントの効率や環境に取り組むものです。
1)1つ目は現在主に取り組んでいるものです。 日本海事協会は船舶の減速運転を余儀なくされた主機関のトラブルのうち、過給機トラブルが3割を占めていると注意喚起を発しています。そのうち船舶運航に大きな影響を及ぼしている「過給機の爆発オーバーラン」に注目し、その原因として掃気室火災が問題視されていますす。現在の掃気室火災の検知に温度計が使用されているため、火炎の発生から警報発令・自動減速までの時間差(いわゆる検知遅れ)が課題となっています。そのため、掃気室ドレンの着火のメカニズムに関し、エンジンの運用圧力状態の環境で評価するために実験装置を自作し、発炎状態、火炎の光波長、光と温度の検知の応答性の関係などを計測し、分析評価します。
2)2つ目ですが、タービンプラントに関し、LNG船の機関システムが蒸気タービンプラントから2元燃料ディーゼルプラントへ変遷することについて調査していきます。基本整理として燃料消費率の理論計算をします。また、2元燃料ディーゼルではメタンスリップが温暖化への悪影響があるため、その理論計算も行います。これらから、蒸気タービンと2元燃料ディーゼルを比較して、分析評価します。一般に公開されている情報が少ないため、学外のエンジンメーカーへの問い合わせや船社との面談から収集した情報を分析し、まとめていきます。
また、毎年2名の学部3年生後期から4年生の学生に対し、卒業研究の指導も行っている。学会発表
1)2022年度:東京海洋大学 桑田敬司○大沢皓紀 佐々木秀次,舶用2ストロークディーゼル機関の掃気ドレンの引火・着火特性,日本マリ学会第92回学術講演会,2022年10月
2)2023年度:東京海洋大学〇桑田敬司 佐々木秀次,舶用機関の予知保全手法に関する研究 - 舶用2ストロークディーゼル機関の掃気ドレンの運用圧力状態における着火特性,日本マリ学会第93回学術講演会,2023年9月
3)2024年度:東京海洋大学 桑田敬司〇小泉優里 渡邊雄太 佐々木秀次,船用機関の予知保全手法に関する研究 - 船用2ストロークディーゼル機関の機関室火災の検知と発火条件に関する検討(その2),日本マリ学会第94回学術講演会,2024年10月
4)2025年度:東京海洋大学 桑田敬司〇村本達也 大野友輔 佐々木秀次 神戸大学 段智久,舶用機関の予知保全手法に関する研究 - 舶用2ストロークディーゼル機関の掃気室火災の検知と発火条件に関する検討(その3),2025年10月
卒業論文
1)2022年度;舶用2ストロークディーゼル機関の掃気ドレンの引火・着火特性,2023年2月
2)2022年度:脱炭素化社会に向けた多様化するLNG運搬船推進プラントの比較評価,2023年2月
3)2024年度:舶用2ストロークディーゼル機関の掃気室内の運用圧力状態における掃気ドレンの引火特性と掃気室火災の早期検知方法の検討,2025年2月
4)2025年度:舶用2ストロークディーゼル機関の掃気室火災のオイルミスト検知装置による兆候検知方法の検討,2026年2月
研究助成
造船学術研究推進機構より、以下の研究テーマに関し、研究助成を受けた。また、研究成果を日本マリンエンジニアリング学会学術講演会にて発表した。
1)2022年度~2024年度:舶用2サイクル主機関における掃気室火災の引火条件およびその検知に関する研究
2)2025年度 :舶用2ストローク主機関における掃気室火災の予兆の検知に関する研究
指導教員論文
1)N. Ohno, H. Miyano, K. Kuwada, K. Fubasam, “Laboratory Performance Analysis Comparison of On-board Marine Cylinder Oils“, CIMAC Congress 2004 Kyoto, Paper No. 159,pp.1~10(査読有)
2)桑田敬司,舶用2ストローク主機関における掃気室火災の早期検知のためのメカニズムに関する研究,長岡技術科学大学大学院 工学研究科修士課程 修士論文,2023年2月
前職の発表、著作
1)省エネ大型ファンの開発 ~ 30%の省エネ達成~ ,『Monohakobi Techno Forum 2011』, ㈱MTI,2011年11月
2)ロスプリベンションガイド38 号「機関事故予防のために」, 日本船主責任相互保険組合(JPI),2016年9月
3)ロスプリベンションガイド40 号「事故例紹介」,JPI,2017年9月
4)ロスプリベンションガイド49 号「よりよい機関管理のために」,JPI,2020年12月