*about lectureship
研究室スタッフ&学生
- 教官:酒井昇(教授)、福岡美香(准教授)
- 博士後期課程:3名。
- 博士前期課程:6名。
- 学部学生:7名。
- 研究生:2名。
情報科学入門,食品工学,食品殺菌工学,食品輸送現象論,物理学実験,食品工学実験,食品生産学入門実験 等
食品を上手に調理したり加工したりするためには,食品の特性をよく知らなくてはなりません.しかし実は,食品の特性を知っているだけでは不十分なことがあります.
例えば同じ魚を調理する場合でも,@コンロで焼く,A蒸気で蒸す,B電子レンジに入れる,なんてことをすると,それぞれかなり違う物が出来上がります.全部「魚を加熱」しているという点では同じなのに,なぜ違う物が出来るのでしょうか?この疑問に答えるためには,それぞれの調理器具の特性を知らなくてはなりません.この例で言うと,@は高温熱源からの輻射伝熱,Aは蒸気を熱媒体とした対流伝熱,Bは電磁波による自己発熱,という異なったメカニズムにより加熱されているのです.このため,食品の温度上昇や温度分布がそれぞれ異なった傾向を示し,従って食品内部における化学変化は互いに異なったものとなり,結果的に違った物が出来上がるのです.更に,熱だけでなく水分移動も異なった特性を示すので,実際にはもっと複雑な話になります.このように,本研究室では,主に食品加工に用いる各種機械装置(以下,食品機械と称します)に関する教育・研究を行っています.研究内容を見ると,どれもが食品機械への応用を意識したもの(場合によっては機械そのもの)であることがお解り頂けることでしょう.
前述の調理の話では,わざと家庭の台所にありそうな調理器具を紹介しましたが,給食施設やレストランなどの大規模調理施設,さらには食品工場ということになると,非常に大きな食品機械が稼動しています.食品加工を機械化することは,品質の安定,コスト削減,生産能力増大という一般的なメリットに加えて,衛生面でも有利に働くため,非常に盛んに進められています.食品産業には装置産業の側面がある,と言われるのはこのためです.ところで,食品機械というくらいですから,本来は食品のための機械であるべきなのですが,残念ながら現状では,一般工業用機械を食品に流用しているケースが多いと言わざるを得ません.これは何故かというと,加工食品の品質(食味,食感,栄養,安全性など)を向上させるために,どのような機械装置と操作条件が必要となるのか?ということを,食品の立場から機械に対して明確に要求できるエンジニアが少ないためです.我々が育てたいと思っているのは,そんな本物の食品機械エンジニアです.
食品技術者の活躍のフィールドは広く大きいものです.まだまだ未解決の問題がたくさんあります.そして,これからも,その仕事の重要性が変わることはありません.
---人間が食べることを止めないかぎり---
民間企業: 味の素,荏原製作所,キューピー,極洋,サムソン電子,サンデン,サンヨー電機,鈴与商事,住商食品,大和製罐,東京コカコーラ,東洋製作所,中埜酢店(ミツカン),中野冷機,永谷園,日清製粉,ニチレイ,日本酸素,ネスレ日本,花正,不二家,ホクト,ほてい缶詰,松下電工,マルハ,明治乳業,明星食品,ヤクルト,ヤマサ,山崎製パン,ライオン,わらべや日洋
その他: 茨城海洋高校,香川県漁業共同組合連合会,常葉学園,田名部高校,東京都公務員,所沢高校,兵庫県庁
平成11年度日本缶詰協会技術賞受賞
「小粒入り液体缶詰の加熱殺菌時間の推算」
平成15年度日本食品工学会論文賞受賞
「粘弾性体を仮定した食品乾燥収縮変形の理論解析」