Arduinoブートローダ書き込み機「タハライター」



1. 概要

このページでは、田原研究室Arduinoブートローダ書き込み機「タハライター」について紹介する。

2. 機能

タハライターの機能は以下の2つ
・AVRマイコンATMEGA328P-PUにArduinoブートローダを書き込む(ブートローダライタ)
・ブートローダを書き込んでArduino化したATMEGA328P-PUにArduinoスケッチを書き込む(スケッチライタ)

タハライターは上段と下段の2段構成となっており、上段はブートローダライタ、下段はスケッチライタとして使用する。

3. 材料

タハライターを1台製作するために必要な部品リスト

番号 品名 個数 入手方法
1 タハライター基板(上段) 1 本ページ下部「7.ダウンロード」より基板ガーバーデータをダウンロードし、プリント基板加工機で製造するかプリント基板製造業者に発注
2 タハライター基板(下段) 1 本ページ下部「7.ダウンロード」より基板ガーバーデータをダウンロードし、プリント基板加工機で製造するかプリント基板製造業者に発注
3 Arduino UNO 1 秋月電子通商 通販コード M-07385
4 ゼロプレッシャーICソケット (28P) 600mil 1 秋月電子通商 通販コード P-00025
5 ピンヘッダ 1×40 (40P) 1 秋月電子通商 通販コード C-00167
6 セラミック発振子(セラロック)コンデンサ内蔵タイプ 16MHz 1 秋月電子通商 通販コード P-09576
7 5mm白色LED 1 秋月電子通商 5mm白色LED一覧
8 5mm赤色LED 1 秋月電子通商 5mm赤色LED一覧
9 5mm緑色LED 1 秋月電子通商 5mm緑色・黄緑色LED一覧
10 抵抗300Ω 1 秋月電子通商 通販コード R-07811
11 抵抗510Ω 1 秋月電子通商 通販コード R-07815
12 抵抗1kΩ 1 秋月電子通商 通販コード R-07820
13 抵抗10kΩ 1 秋月電子通商 通販コード R-07838
14 電解コンデンサー 10μF 16V 1 秋月電子通商 通販コード P-10590
15 FT232RL USBシリアル変換モジュールキット 1 秋月電子通商 通販コード K-06693
16 積層セラミックコンデンサ 0.1μF250V 5mmピッチ 2 秋月電子通商 通販コード P-10147
17 スペーサー(30mm) TP-30 4 秋月電子通商 通販コード P-07572
18 3mmプラスチックネジ(7mm)+ナットセット 1 秋月電子通商 通販コード P-01885
19 NHコネクタ ピンヘッダー(水平取付タイプ)5P 1 ミスミ 型番 BS5P-SHF-1AA-50P

価格は変動することがあるため表には記載していないが、番号1,2のプリント基板と番号19のNHコネクタを除く部品の合計金額は、5000円程度である。

4. 作り方

上の写真のように、タハライター基板(上段)に部品をはんだ付けする
LEDの向きは全て、写真左がカソード、右がアノード
電解コンデンサーは、-の端子(グレーの帯が印字されているほう)が写真左

上の写真のように、タハライター基板(下段)に部品をはんだ付けする

スペーサーを使って、タハライター基板(下段)の上にArduino UNOを取り付ける

Arduino UNOに、タハライター基板(上段)を上から差し込んで取り付ける 差し込む位置がずれないように注意

Arduino UNOに、ブートローダ書き込み用スケッチを書き込むため、タハライターのArduino UNOとPCをUSBケーブル(Aオス - Bオス)で接続する

Arduino IDEを起動し、Arduino UNOにブートローダ書き込み用スケッチを書き込む
ファイル > スケッチの例 > Arduino ISP をクリック
マイコンボードに書き込む をクリック
正常に書き込みが完了すると、タハライター上段の白色LEDが点滅(heart beat)する

5. 使い方

ブートローダライタとしての使い方

タハライター上部のゼロプレッシャーソケットにAVRマイコンATMEGA328P-PU(秋月電子通商 通販コードI-03142)を取り付ける
取り付け向きに注意! マイコンのインデックスが写真左側にくる向きで取り付ける
覚え方:マイコンの印字「ATMEGA328P-PU」の向きと、基板の「タハライター」の文字の向きが一致するように取り付ける

タハライターのArduino UNOとPCをUSBケーブル(Aオス - Bオス)で接続する

Arduino IDEを起動し、AVRマイコンATMEGA328P-PUにArduinoブートローダを書き込む
設定方法
ツール > マイコンボード > Arduino Duemilanove or Diecimila
ツール > プロセッサ > ATmega328
ツール > シリアルポート > (タハライター上部のArduinoを接続したポート番号)
ツール > 書込装置 > Arduino as ISP
上記の設定が完了したら、
ツール > ブートローダを書き込む をクリック

成功時:緑色LED点灯 失敗時:赤色LED点灯 待機時:白色LED点滅(heart beat)
ブートローダの書き込みに成功したら、AVRマイコンATMEGA328をゼロプレッシャーソケットから取り外す

スケッチライタとしての使い方

タハライター下部のUSBシリアル変換モジュールとPCをUSBケーブル(Aオス - ミニBオス)で接続する

タハライター下部のNHコネクタに、Arduinoブートローダ書き込み済みのATMEGA328の各ピンを接続する
NHコネクタの各ピンの接続先は次の通り(番号は上の写真の右側から数えて1,2,3,4,5)
1. VCC
2. GND
3. TX (相手のRXピンに繋ぐ)
4. RX (相手のTXピンに繋ぐ)
5. RESET(相手側の回路は10kΩ抵抗でプルアップすること)

接続例 写真右:ブレッドボード上に組んだ自作Arduino(Arduino duemilanove互換ボード)

自作Arduinoの作成方法は参考文献3を参照のこと
Arduino duemilanove互換ボードを自作することができる

スケッチを書き込む際の設定方法
ツール > マイコンボード > Arduino Duemilanove or Diecimila
ツール > プロセッサ > ATmega328
ツール > シリアルポート > (タハライター下部のUSBシリアル変換モジュールを接続したポート番号)
ツール > 書込装置 > USBasp
上記の設定が完了したら、書き込みたいスケッチ(ソースコード)を開き、マイコンボードに書き込む をクリック

6. 参考文献

1. Arduino Uno用ブートローダライタシールドの製作(1) - しなぷすのハード製作記
https://synapse.kyoto/hard/bootloader_writer/page001.html

2. Arduino - ArduinoToBreadboard
https://www.arduino.cc/en/Tutorial/ArduinoToBreadboard

3. 『Arduino Uno/Leonardoで始める電子工作―8bitマイコンを活用するオープンプロジェクトArduinoの世界』田原 淳一郎 (著)、カットシステム

7. ダウンロード

タハライターの回路図、ガーバーデータは以下のリンクよりダウンロードいただけます。
タハライター上段 回路図(tahawriter_top.pdf)
タハライター上段 ガーバーデータ(tahawriter_top_gerber.zip)
タハライター下段 回路図(tahawriter_bottom.pdf)
タハライター下段 ガーバーデータ(tahawriter_bottom_gerber.zip)

2017年06月19日