増殖生態学研究室概要
変動する環境のなかで、水生生物はどのように影響を受けながら生活し、子孫を残しているのか。そして、水産資源や希少種を維持・保全するためには、どのような方策が求められるのか。
私たちは、人工繁殖技術を応用することで、環境変動や地球温暖化が水生生物に及ぼす影響を予測・評価するための研究を行っています。また、水生生物の保全・増殖を進めるための基礎として、生活史初期の分散・回帰戦略、被食回避、および摂餌生態の解明に取り組んでいます。
水槽内における繁殖実験、人工繁殖させた稚仔を用いた行動実験や環境応答実験、ならびに野外における分布・成熟度調査や生態観察を組合せることで、対象生物の生活史を通した環境適応機構と個体群維持機構を理解することを目指します。また、対象生物の持つ生態学的特徴(表現型)が進化した背景を理解するために、近縁種間に存在する環境応答や行動特性の違いを探る比較生態学的研究を行っています。