国立大学法人 東京海洋大学 海洋科学部 食品生産科学科 |
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食品加工学研究室の学生が発表した論文(2007〜) |
論文題名 |
発行・発表の年月 |
発表雑誌等 |
論文の概要と著者 |
2023.7 |
Food Chemistry, Vol. 413. |
ペルー・ヘイク(Merluccius gayi peruanus)魚肉はその柔らかさのため、商品価値が低い。本研究では、内在性プロテアーゼ活性と寄生虫感染の影響を比較することにより、ペルー・ヘイクすり身の加熱ゲル形成能に寄与する主要因を検討した。50 - 90℃において加熱ゲルを得ることはできなかった。寄生虫感染の激しいすり身は、より強い加熱ゲル形成能を示した。また、内在性プロテアーゼ活性は寄生虫感染よりも、ペルー・ヘイク魚肉のタンパク質分解に影響を与える主な要因であり、本種の脆弱な加熱ゲル形成能に寄与した。 |
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2022.10 |
Fisheries Science, Vol 88 Page 831-843 |
3 つの異なる発酵条件下におけるエソの内臓ソースの生理活性の特性を調べ、これらの生理活性への寄与を決定するためにペプチドのアミノ酸組成を調べた。 pH 11.0 および 40 °C のアルカリ発酵条件下で調製された低塩濃度のエソの内臓ソースにおいて、2,2-ジフェニル-1-ピクリルヒドラジー (DPPH)、ヒドロキシルおよびスーパーオキシドアニオンラジカルの捕捉、鉄イオンのキレート化など、顕著なアンギオテンシン I 変換酵素 (ACE) 阻害活性および抗酸化活性があった。また、エソの内臓ソースに含まれる分子量 < 3 kDa の生物学的ペプチドは、そのペプチド含有量の 50% 以上を占め、最終的に魚醤の生理活性に寄与していた。一方、高分子量 (> 10 kDa) のペプチドは、ACE の活性部位をブロックするペプチドの立体障害に起因する可能性のある ACE 阻害活性を促進していた。さらに、ペプチド中の脂肪族および正電荷を帯びたアミノ酸残基は、抗酸化活性および ACE 阻害活性を向上させることができた。以上より結果は、低塩分で発酵させた魚醤の生理活性を示し、ペプチド内のこれらの特定のアミノ酸残基の潜在的な構造と活性の関係を明らかにした。 (Chan Zhong, Jie-Ting Geng, Emiko Okazaki, Kazufumi Osako ) |
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2022. 6 |
Food Packaging and Shelf Life Vol 32 |
ゼラチンと筋原線維タンパク質からなる多層活性フィルムを開発し(Gel-Surフィルム)、クローブ(Eugenia spp.)の精油(EO)を組み込んだフィルムをキャスティングラミネート法で作製した。そして、作成したフィルムに対して多層フィルムの機械的、光学的、および構造的特性が見つけられた。さらに、さまざまな食品類似物質へのフェノールの放出と抗酸化特性が分析された。また、ラミネート加工により、バリア特性を効果的に改善し、透明度を向上させた。一方、多層フィルムの破断点伸びは、EO濃度の増加とともに低下した。フーリエ変換赤外 (FTIR) 分析により、アミド結合の変化が明らかになり、タンパク質-フェノール相互作用がタンパク質の二次構造で観察された。また、多層フィルムは良好な抗酸化活性を示し、活性化合物は水中で最も速く放出され、50% エタノールで最大の抗酸化効率を示した。以上より、多層活性膜はアルコール食品において有望な材料である。 (Jinyong Jiang, P.S.M.S.L.Watowita, Ronghao Chen, Yafang Shi, Jie-Ting Geng, Kigen Takahashi, LiLi, Kazufumi Osako ) |
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2022.3 |
Food ChemistryVolume 373 |
アラスカスケトウダラ(Theragra chalcogramma)卵の味付け製品の品質は、冷凍保存中に劇的に低下した。本研究では,加工順序と冷凍保存期間がスケトウダラの味付け製品の品質に及ぼす影響を調査した。さらに、卵巣膜と卵殻の機械的性質とタンパク質組成との関係について議論した。調味料冷凍貯蔵プロセスによって作られた味付け卵製品は、より高い機械的特性値、より良い表面色、およびより安定したタンパク質組成を示した。その結果、この過程により、内因性トランスグルタミナーゼが変性する前に作用し、凍結保存中のタンパク質分解を効果的に防止できることがわかった。また、タンパク質分解の遅延は、おそらく調味液中の成分による凍結保護効果に起因していた。 ChaopingChen, Jie-TingGeng, NonthachaThanathornvarakul, SumateKeratimanoch, NailÜçyol, EmikoOkazaki, KazufumiOsako) |
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2022.2 |
European Food Research and Technology Vol. 248 Page1485–1497 |
筋肉、皮膚、内臓、胃の内容物など、アイゴの仲間であるラビットフィッシュの不快な臭いに関連する揮発性化合物を、固相マイクロ抽出ガスクロマトグラフィー-質量分析(SPME-GC–MS)を使用して研究を行った。脂質酸化モデルシステムを使用して、揮発性化合物がどのように形成されるかを実証した。モデル系では、ラビットフィッシュの内臓から抽出した粗酵素を、n-6 PUFA(アラキドン酸(ARA)、リノール酸(LA))およびn-3 PUFA(ドコサヘキサエン酸(DHA)およびエイコサペンタエン酸(EPA))を含む主要な多価不飽和脂肪酸(PUFA)とインキュベートした。その結果、ラビットフィッシュの魚肉の全体的な臭いに寄与する主要な臭気成分は、粗酵素とARAの反応から生成される主要な揮発性化合物でもあるヘキサナールと1-オクテン-3-オールであることが分かった。さらに、モデル系ではさまざまな揮発性化合物が生成され、ラビットフィッシュの細胞組織にリポキシゲナーゼ(LOX)が存在することが示された。ARA反応では酵素的に生成された化合物の最高レベルが観察され、ラビットフィッシュの内臓でのLOXとARAの基質特異性を強調していることが示唆された。つまりこの発見は、この草食性の不快な臭いに関連する揮発性化合物が、LOXによって開始されるPUFA酸化、特にARAによるものであることを示した。 (Asada Jiarpinijnun1 · Jie‑Ting Geng · Nonthacha Thanathornvarakul1 · Sumate Keratimanoch1 · Nail Üçyol1 · Emiko Okazaki1 · Kazufumi Osako) |
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Effect of tyndallization temperature on the sterility and quality of kamaboko |
2022.1 |
Food ChemistryVolume 366 |
加熱ゲルをさまざまな温度で簡潔殺菌し、殺菌効率と品質パラメーターへの影響を評価した。加熱ゲルの微生物学的、物理的、および化学的特性は、間欠殺菌プロセス全体で決定した。高温での間欠殺菌により、優れた殺菌効率が達成された。主な理由としては、熱による発芽と胞子の熱による不活性化の組み合わせが提案された。このプロセスは、ゲルの色に最小限の影響しか与えなかった。 80°Cで間欠殺菌された加熱ゲルは優れた物理的特性を持っていたが、全てのゲルが加熱サイクルの進行とともに品質の低下を示した。ポリアクリルアミド電気泳動(SDS-PAGE)により、品質の変化の原因は処理温度によって異なることが明らかになった。この研究は、製品の無菌性は、処理温度、時間、または加熱サイクルの数を増やすことによって改善できることを示唆している。 (Sumate Keratimanoch, Kigen Takahashi, Takashi Kuda, Emiko Okazaki, Jie-Ting Geng, KazufumiOsako) |
2021.3 |
Food Science and Technology Research 27(1):121-129 |
カタクチイワシから塩水処理とpHシフト処理を用いて回収したタンパク質の物理化学的性質を調べて比較を行った。タンパク質回収率は、酸支援処理で最も高く、次いで塩水およびアルカリ支援処理が高かった。 L *値、b *値、Ca-ATPase活性において、塩水処理を使用した場合と魚を細断した場合とでは回収したタンパク質の間に有意差はなかった。さらに、塩水および酸支援処理をして回収されたタンパク質から抽出された筋原線維タンパク質は、アルカリ支援処理を使用した場合よりも表面疎水性が低かった。ドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動分析では、塩水処理により、回収されたタンパク質中のミオシン重鎖およびアクチンは高い濃度を示したが、これらのタンパク質は酸およびアルカリ支援処理で分解された。全体として、結果は、塩水処理を用いて回収されたタンパク質の物理化学的特性が、pHシフト処理を用いたものよりも優れていることを示した。 (Nonthacha Thanathornvarakul, Asada Jiarpinijnun, Emiko Okazaki, Jie-Ting Geng, Kigen Takahashi, Kazufumi Osako ) |
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2020.6 |
LWT-Food Science and Technology Volume 128 Article 109533 |
マアジの鱗由来のゼラチンフィルムポーチ内のマグロ油の脂質酸化に対するフェノール化合物による緩和効果を、40°C、30日間暗所において貯蔵することで調査した。フェノール化合物の添加後、ゼラチンフィルムの抗酸化活性の改善が確認された。マグロ油中の過酸化物価(PV)および2-チオバルビツール酸反応性物質(TBARS)の増加は、試験したフェノール化合物の中でフェノール性ヒドロキシル基が最も少ないフェルラ酸を含むゼラチンポーチを用いること有意に緩和された。また、フェルラゼラチンフィルムは試験されたサンプルの中で最も高いDPPHラジカル捕捉活性を示した。これらの結果は、マグロ油中の脂質の酸化はフェノール化合物を含むゼラチンフィルムを用いることで緩和できるが、その抗酸化活性はフェノール性ヒドロキシル基の数とは直接関係していないことを示している。ゼラチンフィルムのタンパク質架橋は、脂質酸化の最終生成物であるマロンジアルデヒド(MDA)などのアルデヒドによって誘発される可能性が高く、これはマグロ油の貯蔵後に確認された。したがって、MDAを含むアルデヒドはタンパク質の架橋に消費されるため、TBARSレベルを使用して魚のゼラチンフィルムポーチ内の食品の脂質酸化を評価する場合は注意するべきであることがわかった。 (Thuy Le, Kigen Takahashi, Emiko Okazaki, Kazufumi Osako ) |
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2019.8 |
Food ChemistryVolume 290Pages 196-200
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微生物由来トランスグルタミナーゼ(MTGase)を用いることで、塩漬けスケトウダラの卵製品のテクスチャー改善を目的とした。すなわち、塩漬け卵の物性に対する0〜1.0%のMTGaseの影響を評価した。塩漬け卵の内因性TGase活性は、そのテクスチャーの改善に寄与し、-20°Cにおける冷凍保存中には減少した。最適濃度0.5%のMTGaseを使用することで、卵の硬さや破断強度などの物性が改善された。 MTGaseの存在下における塩漬け卵では、SDS-PAGEを使用したタンパク質の重合とSDS-尿素溶液へのタンパク質の溶解度の低下が観察された。それ故、0.5%MTGaseの添加がタンパク質架橋を触媒するため、塩漬けのスケトウダラの卵のテクスチャーを有意に向上させることが可能となった。さらに、本研究は、MTGaseを用いることで、低温、特に5°Cにおいて水産加工食品のテクスチャーを改善が可能であることを示唆している可能性がある。 (Chaoping Chen, Kigen Takahashi, Lester Geonzon, Emiko Okazaki, KazufumiOsako) |
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2019.12 |
日本水産学会誌85:6 591-598 |
飽和クエン酸ナトリウム(クエン酸Na)水溶液への浸漬によるスルメイカ切り身の乾燥中の褐変の抑制を検討した。飽和クエン酸Na水溶液への浸漬によって,スルメイカ乾燥中の褐変が抑制され,また,メイラード反応が抑制されていた。さらに,タンパク質分子量分布と遊離アミノ酸分析の結果から,ミオシン重鎖の分解および遊離アミノ酸の生成が抑制されたことが示唆された。以上より,飽和クエン酸Na水溶液に浸漬することで,遊離アミノ酸の生成が抑制されスルメイカ切り身のメイラード反応による褐変が軽減したことが示唆された。 (山下 捷平, 海藤 としき, 粕川 将, 橋 希元, 岡ア 惠美子, 耿 ショウテイ, 大迫 一史 ) |
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2019.6 |
Food Chemistry.283:324-330 |
空気乾燥中のスルメイカの変色を防ぐために、pH、遊離アミノ酸(FAA)の生成、およびメイラード褐変の間の関係を調べた。表面色測定において、メイラード褐変の指標となるb*値の上昇はpH 4.0-6.0で緩和され、pH 7.5-9.0で促進された。pHを5.5に調整することで、b*値の増加が最も効果的に抑制された(p<0.05)。メイラード反応に関与するアルギニンの生成は、pH5.5の乾燥イカ中で抑制された(p <0.05)。リボースとアミノ酸間のメイラード反応性は、pH5.5よりもpH4.0の方が低かった(p <0.05)。これらの結果は、乾燥イカの褐変がpH5.5において有意に抑制されていることを示している。さらに、酸性pHでの乾燥イカのメイラード褐変を軽減する上で、アルギニンの生成を抑制することが、リボースとアルギニンとの間のメイラード反応性を弱めることよりも効果的であることが明らかになった。 (Jie-Ting Geng, Kigen Takahashi, Toshiki Kaido, Masaru Kasukawa, Emiko Okazaki, Kazufumi Osako) |
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2019.1 |
Food & Nutrition Science.83(5):901-913 |
本研究は三次元蛍光指紋(3D-FF)を用いて魚体中の発蛍光団を特徴づけるために、そして冷凍アジ(Trachurus japonicus)切身から得られたこれらの3D-FFを死後変化を予測するために利用するために行われた。生魚は即座に締められ、2日まで氷中で保存され、それから切り身にされ、真空パック後、凍結された。続いて、凍結プローブの3D−FFを、ファイバープローブを用いたF−7000を用いて取得した。死後の鮮度の変化は、アデニル酸エネルギーチャージ(AEC)値およびニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADおよびNADH)含有量を測定することによって測定した。冷凍魚肉中のAEC値およびNADH含有量を予測するための部分最小二乗回帰モデルは、標準発蛍光団から得られたそれらの蛍光特徴に基づいて、それぞれ8および5励起波長を用いることにより、R2値が0.90および0.85と良好なフィッティングを示した。3D-FFのこの新しいアプローチは、冷凍魚の品質のインラインモニタリングのための効率的な技術として利用することが可能である。 (Md. Mizanur Rahman, Mario Shibata, Gamal ElMasry, Naho Nakazawa, Shigeki Nakauchi, Tomoaki Hagiwara, Kazufumi Osako & Emiko Okazaki ) |
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2019.3 |
Food Science and Technology Research. 25(2):331-340 |
温帯および亜熱帯諸国からのコイおよびエソの鱗からの酸およびペプシン可溶性コラーゲン(ASCおよびPSC)の熱安定性に関して研究した。SDS-PAGEの結果よりASCとPSCがタイプIコラーゲンとして分類され、ASCの分子量はPSCの分子量より大きかった。亜熱帯の魚鱗由来のコラーゲンは、温帯魚鱗由来のコラーゲンと比較してより多くのイミノ酸を含んでいた。日本とバングラデシュのコイは同様の熱安定性を示したが、ベトナムのエソは日本のエソよりも高い熱安定性を示した。全体として、PSCは対応するASCよりわずかに低い変性温度を有し、SDS-PAGEで観察されるように、熱安定性とコラーゲンの分子量との間の関係が存在し得ることを示唆している。最大の溶解度は酸性pH(1〜4)で認められ、溶解度は高塩濃度(> 2%)で明らかに低下した。これらの魚鱗からのASCとPSCは哺乳類コラーゲンの代わりに食品産業に適用できることが示唆された。 (Sheik Md. Moniruzzaman, Nur Un Nesa, Sumate Keratimanoch, Kigen Takahashi, Emiko Okazaki, Kazufumi Osako ) |
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The effect of organic salts on the browning of dried squid products processed by air-drying |
2018.12 |
Food chemistry 269,212-219 |
スルメイカの変色を抑制するために0-1%の各種有機酸塩が空気乾燥中のスルメイカのメイラード反応に及ぼす影響を調査しました。 実験の結果、スルメイカ表面の色調変化は抑制され、また、遊離アミノ酸、特にアルギニンの産生や自己消化の抑制がモデル溶液と乾燥後のスルメイカの両方にて確認されました。 さらに、メイラード反応度は1%のフィチン酸Naもしくは1%のクエン酸Naを加えた乾燥後のスルメイカにおいて有意に低い値を示しました。 これらのことから、有機酸塩、特にフィチン酸Naやクエン酸Naの持つ強いキレート作用が遊離アミノ酸の産生を抑制することでスルメイカの褐変が抑制されることが示されました。 (Jie-Ting Geng, Toshiki Kaido, Masaru Kasukawa, Kigen Takahashi, Emiko Okazaki, Kazufumi Osako ) |
2018.8 |
Food Hydrocolloids 81,467-473 |
サツマイモより通常の手法で調整したでんぷん(NS)と低い糊化温度で老化の遅いでんぷん(NSL)をそれぞれ加熱ゲルに加えて、凍結、解凍しその品質を評価及び比較した。でんぷん-すり身ゲルは緩慢凍結もしくは急速凍結され、-20℃で4週間保存された。ゲル化は微細構造、ドリップロス、テクスチャー分析によって評価した。NSL-すり身ゲルは凍結時の氷結晶および解凍後の空隙が大きく、解凍後の構造的損傷が少ないことが示唆された。解凍ドリップの量はNSL-すり身ゲルのほうが少なかったが、凍結前のドリップ量は変わらなかった。テクスチャー分析より、NSL-すり身ゲルはNS-すり身ゲルと比較してゲル強度の向上は見られず、接着性の軽度な減少が見られた。さらに、急速凍結では緩慢凍結と比較して氷結晶の大きさが小さく、でんぷんそのものの形を保持できていた。 以上の結果より、NSLをすり身ゲルに加えることで凍結時のすり身ゲルの質を向上させることができた。
(Ru Jia,Toyohiko Katano,Yasushi Yoshimoto,Yuanpei Gao,Yuki Watanabe, Naho Nakazawa,Kazufumi Osako,Emiko Okazaki. ) |
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2018.7 |
Food Science and Nutrition, 6, 1229–1237 |
種々の乳化すり身ゲルを異なる品質のスケトウダラすり身から調整し、筋原線維タンパク質の乳化安定性とゲルの特性を調査した。乳化魚油は破断強度を向上させたが、すり身タンパク質の変性やESの減少によりその向上率は減少した。圧搾ドリップも減少したが、タンパク質の変性により分離された脂質量は増加した。 走査型電子顕微鏡によりすり身の貯蔵期間とともに生じる油漏れにより魚油粒子の形状が不規則になり、空隙が観察された。結果として乳化したすり身ゲルのゲル特性の改善が、ESならびにタンパク質変性のレベルと相関していることを示唆した。 (Yuanpei Gao,Hideto Fukushima,Shanggui Deng,Ru Jia,Kazufumi Osako,and Emiko Okazaki) |
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Identification and Roles of the Taste-active Components of Dried Nori |
2018.6 |
Japan Journal of Food Engineering、19,2,121-127 |
近年、高タンパク含量の乾燥ノリは、その味から商業化されている。遊離アミノ酸は乾燥したノリの味成分として試験されているが、乾燥したノリの味を構成する他の成分およびそれらの役割は同定されていない。 そこで、我々は乾燥したノリの味覚成分を同定し、それらの味覚における役割を決定するために官能評価を行った。乾燥ノリの主な抽出遊離アミノ酸は、Ala、GluおよびAspであった。これらに加えてTauも豊富であった。これらの4つの成分は、遊離アミノ酸の85%を占めた。主なATP関連化合物はIMPであった。これら5つの化合物は味覚活性成分として同定された。乾燥したノリの各味活性成分の役割は以下の通りであった:Alaは甘味、塩味、うま味および豊かさを与える。 Gluは塩味、うま味、豊かさを与える。 Aspは塩味、うま味、豊かさを与える、Tauは酸味を与える。 IMPはうま味と豊かさを与える。 (Tokifusa KAWASHIMA, Takaaki SHIRAI, Hiroko MATSUDA, Kazufumi OSAKO, Emiko OKAZAKI ) |
2018.6 |
Journal of Food Science, 83 7 |
アジの鱗より調製したゼラチンフィルムの物理的特性と抗酸化活性に及ぼす各種フェノール化合物の影響について検討した。1%〜5%のフェノール化合物を添加することにより、フィルムの引張強さ(TS)が向上し、破断伸びが低下した。ルチンは、フェルラ酸、カフェー酸、没食子酸、およびカテキンを含む他の試験したフェノール性化合物と比較して、TSを改善するのに最も効果的であった。フェノール化合物を含むゼラチンフィルムは、優れたUVバリア特性を示した。FTIRスペクトルは、ゼラチンのアミノ基とフェノール化合物のヒドロキシル基との間の水素結合の形成に伴って、フィルムのアミド-Aバンドの波数が減少することを示した。試験した化合物の中でヒドロキシル基の数が最も多いルチンを組み込んだゼラチンフィルムは、アミド-Aピークの最低波数を示した。これはフェノール化合物に含まれるヒドロキシル基がフィルムの機械的特性の向上に関与する水素結合の形成に寄与していることが示されている。ゼラチンフィルムへのフェノール化合物導入は全フェノール含有量およびDPPHラジカル捕捉活性の増加をもたらした。結果として、フェノール化合物はゼラチンフィルムの品質を向上することができると結論された。 (Thuy Le Hiroki Maki Emiko Okazaki,Kazufumi Osako,Kigen Takahashi) |
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2018.5 |
日本水産学会誌, 84,3,417-424 |
漁獲後に海水循環システム(海水循環区)およびアイスボートにより氷蔵(氷蔵区)で輸送し,煮熟,冷凍したズワイガニ筋肉の品質を比較したところ海水循環区において筋肉の保水性が高かった。海水循環区では,試料のタンパク質二次構造中のαへリックス組成比およびpHが氷蔵区よりも高かった。また,筋肉中の乳酸およびコハク酸含量が少なく,ATP含量及びATP組成比が高かった。これらの結果は,海水循環区では漁獲後輸送中にカニが苦悶状態に陥らなかったことで筋肉中のpHが維持され,高い保水性を有したことを示唆した。 (渋谷 緑, 橋 希元, 中西 聖代, 秋元 健夫, 岡ア 惠美子, 大迫 一史 ) |
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2018.3 |
日本冷凍空調学会論文集,35,1-9 |
オーストラリア産の冷凍ボラ卵を用い,卵脂質中のワックスエステル(WE)がそれ以外の脂質の酸化に及ぼす影響について検討した。ボラ卵の総脂質およびこれからWEを除去した脂質を酸化させた結果,総脂質の過酸化物価およびチオバルビツール酸反応物質はWEを除去した脂質と比較して顕著に抑制された。また,WEを除去した脂質の脂肪酸組成では酸化に伴い飽和脂肪酸の増加およびn-3系高度不飽和脂肪酸の減少が見られた。一方,WEの2, 2-ジフェニル-1-ピクリルヒドラジルラジカル消去活性を測定した結果,消去活性は0.04%と低かった。以上より,からすみの脂質が酸化に対し安定な理由の1つとして,ボラ卵脂質中のWEが,物理的な外気からの遮断により他の脂質の酸化を防ぐことが示唆された。 (伊藤大輔, 橋希元, 渋谷緑, 岡ア惠美子, 齊藤洋昭, 大迫一史) |
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2018.3 |
日本食品工学会誌,19,43-47 |
低未利用資源であるヨシキリザメの有効利用のためにアルギン酸ナトリウムと塩化カルシウムがその魚肉ゲルに及ぼす影響を検討し、ヨシキリザメ筋肉の低ゲル形成能の改善を試みた。 3%のアルギン酸ナトリウムを添加し、次いで1%の塩化カルシウム水溶液に浸漬したゲルの破断応力は増加した。一方、アルギン酸ナトリウムを添加によって破断歪み率は減少し、アワビに近いものとなった。SDS-PAGEの結果より、ゲル中のタンパク質の重合はアルギン酸ナトリウムの濃度に依存することが分かった。 以上より、アワビのようなユニークなテクスチャーを持つ新しいゲル生成物がアルギン酸ナトリウムと塩化カルシウムを使用することで開発できることが示唆された。 (齋藤俊樹、橋希元、天野かよ、岡崎恵美子、大迫一史) |
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プロテアーゼ阻害剤を用いたツノナシオキアミEuphausia pacificaタンパク質回収中の自己消化抑制および回収物の加熱ゲル形成能改善 |
2018.3 |
日本水産学会誌84,261-268 |
NaCl処理によるツノナシオキアミタンパク質回収中の自己消化抑制および回収物の加熱ゲル形成能改善を試みた。タンパク質の分解は脱水工程において顕著に進行したが,セリンプロテアーゼ阻害剤(50 mmol/kg Benzamidine, 1.0 mg/g SBTIおよび5 mmol/kg PMSF)により抑制された。またこれら阻害剤を添加した場合,回収物の加熱ゲル物性が向上した。以上より,セリンプロテアーゼ阻害剤を用い自己消化を抑制することで,練り製品原料適性を改善したタンパク質を回収可能であった。 (天野 かよ, 橋 希元, 岡ア 惠美子, 大迫 一史 ) |
2017.09 |
日本冷凍空調学会論文集, 34, 155–165 |
卵白中の主要タンパク質オボアルブミンおよびその誘 導体が,スケトウダラ冷凍すり身から調製した加熱ゲルに及ぼす効果を検討した。各種オボアルブミンを添加して加熱ゲルを調製した結果,40 ℃加熱では物性が低下,60 ℃および90 ℃加熱では向上する傾向を示した。また,オボアルブミンがトリプシンに及ぼす影響を確認したところ,阻害効果は見られなかった。オボアルブミンは60 ℃および90 ℃加熱ゲルの物性を向上させたが,すり身中のプロテアーゼを阻害したためではなく,オボアルブミン自体がゲル化に直接寄与した可能性が示唆された。 (武縄俊彦,橋希元,岡ア惠美子,渋谷 緑, 大迫一史) |
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2017.8 |
日本水産学会誌 83, 777-784 |
アルカリ塩水晒しによるアカアマダイ筋肉加熱ゲル形成能の改善を試みた。アルカリ塩水晒し(0.2% NaHCO3+0.15% NaCl)は清水晒し,アルカリ晒し(0.2% NaHCO3)および塩水晒し(0.15% NaCl)と比較して,本種のゲル形成能を改善した。アルカリ塩水晒しは加熱時のタンパク質表面疎水性を有意に高めたが,ミオシン重鎖の分解抑制効果は他と同等であった。以上より,アルカリ塩水晒しによる加熱ゲル形成能改善には,タンパク質の分解抑制効果のみならず,表面疎水性向上の寄与も示唆された。
(橋 希元, 黒瀬 光一, 岡ア 惠美子, 大迫 一史) |
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2017.8 |
日本水産学会誌 83, 785-794 |
冷凍マサバを−2℃から−20℃の温度で一定期間貯蔵(解凍前温度処理)を行い,この時の筋肉中の嫌気的代謝関連指標の変化ならびに解凍後の性状を調べた。冷凍マサバでは,本処理により解凍後のpH低下抑制効果は得られないこと,処理期間に伴って血合肉色調に影響を及ぼすことがわかった。同処理によりpH低下抑制効果の認められたメバチよりも,処理期間中におけるNAD減少速度が有意に小さかったことから,pH低下を抑制する効果が得られるのは,解凍前温度処理中におけるNAD減少速度が速い魚肉に限られることが示唆された。
(守谷 圭介, 中澤 奈穂, 大迫 一史, 岡ア 惠美子) |
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The influence of proteases on the browning of dried squid products processed by air-drying |
2017.4 |
Food Research International 97, 231–239 |
乾物として使われるスルメイカ(Todarodes pacificus)の外套膜が空気乾燥中に劇的に褐変する原因を明らかにするため、乾燥イカ製造工程中における褐変への内在性プロテアーゼの影響を調査した。メイラード反応に関与する遊離アミノ酸(FAA)の生成における内因性プロテアーゼの関与が示唆された。空気乾燥中の褐変とミオシン重鎖の分解はメタロプロテアーゼインヒビター(特にEGTAと1,10-フェナントロリン)、およびセリンプロテアーゼインヒビター(特にPMSF)の添加によって明らかに軽減された。乾燥した製品中の総FAAの量は、1,10-フェナントロリンを添加した場合0.17%増加し、EGTAを添加した場合は5.0%増加した。自己分解モデルにおいて、タンパク質自己分解は1,10-フェナントロリンの添加によって大きく抑制された。さらに1,10-フェナントロリンの添加は、アルギニン(Arg)を含む総FAAsの増加を軽減した(EGTA, PMSFを添加した場合も同様であった)。以上の結果から、内在性のメタロプロテアーゼとセリンプロテアーゼは、空気乾燥中におけるArg等のFAAsの生成に影響を与え、製品の褐変を促進することが示唆された。 (Jie-Ting Geng, Toshiki Kaido, Masaru Kasukawa, Kigen Takahashi, Emiko Okazaki, Kazufumi Osako ) |
2017.3 |
Lipids 52, 363-373 |
日本の主な藻食性魚であるアイゴ、ブダイ、ノトイスズミの組織(筋肉、肝臓およびその他内臓)と胃内容物における脂質クラスおよび脂肪酸の組成を調べ、安定したアラキドン酸(ARA)源を探索した。トリアシルグリセロール(TAG)、ホスファチジルエタノールアミン、およびホスファチジルコリンが主要な脂質クラスであり、各リン脂質は、TAGよりも多価不飽和脂肪酸(PUFA)を多く含有していた。ARAは全ての個体の筋肉および内臓のリン脂質およびTAGに多く存在し、特にブダイおよびノトイスズミにおいて顕著な値を示した。さらに、それらのARAレベルは、DHAおよびEPAのそれより高かった。これらの高いARAレベルは海洋魚では珍しく、藻食性魚の特徴であると示唆された。また、3種の胃内容物中における主要なPUFAがARAであったことから、高いARAレベルは餌に由来することが示唆された。以上のことから、アイゴ、ブダイおよびノトイスズミはARAに富んだ海産魚であり、安定したARA資源としての利用が可能であることが示された。
(Asada Jiarpinijnun、Soottawat Benjakul、Akasith Pornphatdetaudom、Junichiro Shibata Emiko Okazaki Kazufumi Osako )
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2017.3 |
日本水産学会誌 83, 207-214 |
ツノナシオキアミを練り製品原料として利用するために,タンパク質をNaClで溶解後に希釈し,沈殿して回収する方法を検討した。回収したタンパク質は,Ca-ATPase活性およびMg-ATPase活性が高く保たれた。また,SDS-PAGEにおいて回収工程におけるタンパク質の分解が確認されたが,80-90℃加熱でゲルを形成した。以上より,本方法で本種タンパク質の変性を抑制し回収できること,また回収したタンパク質が加熱ゲル形成能を持つことが示唆された。
(天野かよ, 橋希元, 岡ア惠美子, 大迫一史 )
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2017.1 |
日本水産学会誌 83, 52-58 |
ツノナシオキアミの新規有効利用法の開発を目的とし,食品添加物を用いた等電点利用分画法によるタンパク質の回収を検討した。タンパク質回収率は炭酸カリウムで可溶化させたタンパク質をクエン酸で沈殿させた場合が最も高かった(58.8%)。回収したタンパク質のSDS-PAGEパターン,一般成分,ミネラル組成およびタンパク質構成アミノ酸組成をNaOHおよびHClを用いた場合と比較したところ,顕著な差はみられなかった。以上より,本方法で本種タンパク質を効率的に回収できることが示唆された。
(岡ア樂, 橋希元, 天野かよ, 岡田涼汰, 遠藤雅人, 岡ア惠美子, 大迫一史 )) |
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2016.10 |
Transactions of the Japan Society of Refrigerating and Air Conditioning Engineers 33, 405-410 |
近年、食品の品質を非破壊的に評価する有効な手段として、蛍光指紋(励起波長と蛍光波長の組み合わせにおける蛍光強度を網羅的に計測する方法)が注目されている。とくに魚肉中のアデノシン三リン酸(ATP)の含有量を蛍光指紋により計測できれば、魚肉の初期鮮度の非破壊測定に有用であると期待される。一方、ATPの蛍光スペクトルはpHなどの各種条件に左右されると推測されるが、とくに赤身魚では致死後の魚肉中ATPの急激な減少とpH低下はほぼ同時期に進行するため、蛍光指紋によるATP計測の際にはpHの影響を考慮することが不可欠と考えられる。そこで本研究では、まずATP標準溶液を用いて、蛍光指紋データに及ぼすpHの変化の影響をモデル的に調べた。その結果、蛍光シグナルの強度はATP濃度のみならず試料のpHの影響を受けることが明らかになった。ATP溶液における最大の蛍光強度はpH5.0の条件で得られ、pHの上昇に伴い急激に減少した。ATP溶液を凍結した場合も、最大蛍光強度の得られる波長条件は類似していた。また、僅かなpHの変化は、蛍光指紋スペクトル特性やその強度のみならず、ピークの得られる波長条件にも影響した。本研究で用いた手法を発展させることは、各種成分を含む食品の品質評価における蛍光指紋の有効性を保証し適正化するための一助になると考えられた。
(Md. Mizanur Rahman , Mario SHIBATA, Naho NAKAZAWA, Tomoaki HAGIWARA, K. Osako, E. Okazaki )
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Textural improvement of salt-reduced Alaska pollack (Theragra chalcogramma) roe product by CaCl2 |
2016.12 |
Food chemistry 213,268-273 |
スケソウダラ卵製品の減塩は、塩化ナトリウムの摂取量が減ることから、健康によい一方で、破断強度などの物性を弱めることが知られている。本研究は、塩漬けされた魚卵における塩化ナトリウムの減少可能性を、塩化カルシウムを用いることによる物性強化に焦点を置いて調べた。塩漬け魚卵は、スケソウダラの卵を塩化ナトリウム溶液または塩化カルシウムを添加した塩化ナトリウム溶液に漬けて調製した。これらの破断強度、水分含量、塩分量、卵膜のタンパク質組成、総内在性トランスグルタミナーゼ活性を調べたところ、塩化カルシウムの添加により、減塩卵製品の卵膜タンパク質の架橋と破断強度は増加した。この卵膜タンパク質の架橋および物性値の向上は、カルシウム依存性トランスグルタミナーゼを触媒としたアシル転移反応による可能性があると考えられた。これらの結果から、塩化カルシウムを使用することで減塩スケソウダラ卵の品質を向上できたと考えられた。
(C. Chen, E. Okazaki, K. Osako ) |
2016.06 |
Food Science and Technology Research 22,337-347 |
辛子明太子の品質評価のための客観的な基準を決定するため、異なる品質の日本の辛子明太子について、これらの寸法、pH、色彩値、一般成分、水分活性、脂質酸化物、遊離アミノ酸、物性、タンパク質組成、そして示差走査熱量を測定した。その結果、価格の低い卵製品は、同社の高価格のそれよりも有意に高いチオバルビツール酸関連物質含有量を示し、苦みアミノ酸も低価格の卵製品に多く含まれていた。低価格卵製品の卵巣膜および卵殻のタンパク質は、高価格のものと比べて多くの低分子成分で構成されていた。低価格製品に比べ、高価格製品は物性および示差走査熱量において高い値を示した。
(C. Chen, E. Okazaki, T. Suzuki, H. Thi Nhu Nguyen, K. Osako Volume 22, August 2016, Pages 337–347) |
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2016.08 |
International Food Research Journal 23,1145–1153 |
すり身製造時の副産物である、ワニエソの内臓を有効利用することを目的として、これに含まれる自己消化酵素の特性を調べた。その結果、2つのプロテアーゼ活性グループが見出され、それらの至適温度および至適pHはそれぞれ、55℃でpH7、45℃でpH11であった。プロテアーゼ阻害性および蛍光基質特異性の分析結果から、本種内臓の主要プロテアーゼはセリン型プロテアーゼであることが分かった。塩化ナトリウムの触媒活性への影響およびプロテアーゼの熱安定性を調べるため、5%から25%の塩化ナトリウム水溶液中に30日間置いたところ、プロテアーゼの触媒活性は増加し、プロテアーゼの熱安定性もまた15%の塩化ナトリウム水溶液中で顕著に増加した。これらの結果から、塩化ナトリウム水溶液中のプロテアーゼが食塩に依存する挙動を示し、この触媒活性および熱安定性の塩化ナトリウム依存性の変化が、発酵食品の製造に適用しうることが示唆された。 (C. Zhong, L.C. Sun, J.T. Geng, E. Okazaki, M.J.Cao, W.Y.Weng, K.Osako Volume 23, August 2016, Pages 1145–1153) |
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2016.05 |
LWT-Food Science and Technology 68,717-723 |
市場価値の低い小型アカアマダイを練り製品原料として有効利用するために、内在性プロテアーゼが本種筋肉の加熱ゲル形成能に及ぼす影響を検討した。加熱温度30−80℃では加熱ゲルは得られず、40−70℃の温度帯において、ゲル化に必須であるミオシン重鎖の分解が顕著であった。種々のプロテアーゼ阻害剤の添加により、本種筋肉の自己消化は抑制され、加熱ゲル形成能は改善した。特に、1,10-フェナントロリン、ベンズアミジン、および大豆由来トリプシンインヒビターの混合物は、単体で阻害剤を使用した場合よりもゲル形成能を改善させた。ミオシン重鎖を分解する主要な酵素の1つがトリプシン様セリンプロテアーゼであること、また金属イオン依存性プロテアーゼが、筋原線維タンパク質の分解に影響を及ぼすことが示唆された。以上より、セリンプロテアーゼ阻害剤およびキレート剤を用いて自己消化酵素の活性を抑えることで、本種筋肉が練り製品の原料となり得ると結論付けた。 (K. Takahashi, K. Kurose, E. Okazaki, K. Osako Volume 68, May 2016, Pages 717–723) |
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2015.11 |
日本水産学会誌 81(6),987-994
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ホッコクアカエビを有効利用するために、卵白を用いて本種筋肉の加熱ゲル形成能の改善を試みた。5%卵白添加により50-90℃の各温度で本種筋肉はゲル化した。一方、坐りゲルは形成しなかった。SDS-PAGEの結果から、卵白は60℃においては本種筋肉の自己消化を抑制するが、40℃ではその効果が低いことを示した。以上の結果より、50℃から90℃の加熱では、卵白によって加熱ゲル形成能が改善するが、それ以外では自己消化が抑制されないため、練り製品製造時においては直加熱が適当であることが示唆された。 (高橋希元, 板倉もね, 雨宮弘和, 岡崎恵美子, Ha Thi Nhu Nguyen,大迫一史 ) |
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2015.9 |
日本食品工学会誌 16(3),201-208 |
ヨシキリザメの筋肉を有効利用の開発を目的とし、坐りゲルを酢で浸漬させた酢じめゲルの調製を検討した。本種筋肉の内在性トランスグルタミナーゼ活性は、他の練り製品に使用されている魚種のものと比べて極端に低く、内在性プロテアーゼ活性も同様であった。 微生物由来トランスグルタミナーゼ(MTGase)を添加することにより、坐りゲルは形成された。坐りゲルを酢酸で浸漬させることで強固な酢じめゲルが形成された。卵白の添加は酢じめゲルの物性に影響を及ぼさなかった。以上から、本種筋肉の酢じめゲルはMTGaseを用いることで得られることが示唆された。 (齋藤俊樹, 高橋希元, 岡崎恵美子, 大迫一史) |
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2015.05 |
Fisheries Science, 81(3), 581-590 |
ワニエソの内臓を異なる3つの条件(グループ1,pH 7.0で60℃;グループ2,pH 11.0で40℃;グループ3,pH未調整で室温)で40日間発酵させ魚醤油を調製し、不揮発性の呈味性成分を分析した。 グループ2において、うま味、甘味を呈するアミノ酸の濃度が高く、乳酸、酢酸、ピログルタミン酸も高含量であった。また、官能検査の結果、グループ2がうま味を有し、かつ苦味が少ないと評価され、最も好ましい味であった。本研究の結果から、発酵中に内臓のプロテアーゼ活性を制御することで高品質な魚醤油が調製できることが示唆された。 (C. Zhong, M. Nakanishi, JT. Geng, E. Okazaki, MJ. Cao, WY. Weng, K. Osako) |
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2015.04 |
Journal of Food science, 80(4), E734-E741 |
マアジ鱗からのゼラチン抽出条件の検討および抽出したゼラチンからフィルムを調製した。抽出によるゼラチンの収率は1.08-3.45%であった(抽出条件:加熱温度70-90℃,加熱時間15分-3時間)。 70℃で1時間かけて抽出したゼラチンを用いてフィルムを調製したとき,最も高い物性値を示した。フィルムの水蒸気透過性は哺乳類や他の魚類ゼラチンから調製したフィルムと比較して低かった。また,光透過性を測定したところ,マアジ鱗由来のゼラチンフィルムはUVバリアー性に優れていることがわかった。 (L. Thuy, H. Maki, K. Takahashi, E. Okazaki, K. Osako) |
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2015.02 |
日本水産学会誌,81(1),115-123 |
からすみの製造工程における未処理、塩漬後および乾燥後のボラ卵の脂質性状の変化について検討した論文です。 からすみ調製過程において、ワックスエステルの組成比と、それを構成する脂肪アルコール組成および脂肪酸組成、およびホスファチジルコリンの組成比と構成脂肪酸組成に有意な変化は見られないことが明らかとなりました。一方で、トリアシルグリセロールは乾燥工程で若干減少したものの、脂肪酸組成に有意な変化は見られませんでした。 以上より、ボラ卵の脂質性状は他の水産乾製品に比較して、非常に変化しにくいことが示唆されました。 (伊藤大輔,高橋希元,岡ア惠美子,A. Jiarpinijnun,齋藤洋昭,大迫一史) |
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2015.01 |
Food Chemistry, Volume 176, 1 June 2015, Pages 158–166 |
乾製品の製造時や保存中の褐変が問題となっているスルメイカについて研究した論文です。 スルメイカはケンサキイカ、アオリイカと比較して、褐変の要因となるメイラード反応に寄与するアルギニンおよびリボースの含有量が高いことが明らかとなりました。また、スルメイカはプロテアーゼ活性が高く、タンパク質分解生成物が褐変に寄与している可能性が示唆されました。 (JT. Geng, T. Kaido, M. Kasukawa, C. Zhong, LC. Sun, E. Okazaki, K. Osako) |
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2014.12 |
Fisheries Science, 81(2), 383-392
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ヨシキリザメの皮から抽出したゼラチンをアルカラーゼ(酵素)で分解し,加水分解物を調製した。それを冷凍すり身に添加し,-15℃で135日間保存し,保存期間中のゲル形成能(加熱ゲルを調製し物性を測定),Ca-ATPase活性などを比較し,タンパク質の凍結変性に及ぼす影響を検討したところ,加水分解の時間が多いものの方がタンパク質の凍結変性防止の効果を持つことが明らかとなった。 (K. Limpisophon, H. Iguchi, M. Tanaka, T. Suzuki, E. Okazaki, T. Saito, K. Takahashi, K. Osako) |
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2014.11 |
日本水産学会誌, 80(6), 979–988. |
新規水産練り製品用原料の開発を目的とし,ホッコクアカエビ筋肉から加熱ゲルの調製を試みた.エビ肉は30-80°Cの加熱条件ではゲルを形成しなかった.60ºCの加熱条件で,1,10-phenanthroline,PMSF,Leupeptin,AntipainおよびE-64の使用によりミオシン重鎖の分解は抑制され,加熱ゲルが形成した.これらの結果から,ホッコクアカエビのゲル形成能は極めて低く,これはシステインプロテアーゼによるミオシン重鎖の分解に起因することが示唆された. (橋希元, 雨宮弘和, 田中宗彦, S. Klomklao, 岡ア惠美子, 大迫一史) |
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2014.07 |
Fisheries Science, 80(4), 839–847. |
等電点利用法によるツノナシオキアミ肉回収時における自己消化酵素の特性について研究した。ツノナシオキアミをアルカリ域に移動することにより顕著なミオシン重鎖の分解が見られた。ミオシンザイモグラフィーにより,これに関与する主要な酵素は3つあり,このうち,17 kDaの分子量をもつ酵素はpHが5から12の幅広い領域で活性を有したため,これがオキアミ肉回収中のミオシン重鎖分解の主要因と考えられた。さらに,基質特性および阻害特性の実験の結果から,セリンタイププロテアーゼであると考えられた。 コレスポンディングオーサーとして研究全体に関わった。 (LC. Sun, YL. Chen, C. Zhong, E. Okazaki, MJ. Cao, WY. Weng, K. Osako) |
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2014.04 |
Food Chemistry, 149(2), 264–270. |
日本およびベトナムで漁獲されたエソ,マアジ,日本で漁獲されたボラ,トビウオ,およびキダイ鱗から抽出した酸可溶性コラーゲンの性状について検討した。日本産およびベトナム産のマアジ鱗について比較したところ,ベトナム産マアジ鱗の酸可溶性コラーゲンは融点高く,またイミノ酸含量も高かった。これには生息水温が影響しているものと考えられた。 (L. Thuy, E. Okazaki, K. Osako) |
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2013.06 |
日本水産学会誌, 79(4), 694–702. |
フィルム形成懸濁液中へのNaClおよび各種有機酸塩 (クエン酸Na,酢酸Na,安息香酸Naおよび酒石酸Na)の添加がフィルム諸性状に与える影響について検討した。塩類で魚肉タンパク質を可溶化することにより,フィルムの表面に塩が析出したNaClおよび酒石酸Na添加のものを除き,引っ張り強度,引っ張り伸び率および水蒸気透過性に優れ,透き通ったフィルムを得られることが明らかになった。また,比較した塩類のうち,クエン酸Na添加のものが最も引っ張り強度が高く透明性に優れていた。 (鈴木遼, 牧広樹, A. Pornphatdetaudom, 古川麻美, 岡ア惠美子, 大迫一史) |
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2013.05 |
Fisheries Science, 79(3), 537–546. |
ツノナシオキアミ(エビ)の有効利用法開発の一環として,タンパク質の等電点を利用したエビ肉回収法の検討を行った。肉ホモジネートを酸性にして等電点で回収することにより31.7%のタンパク質が,また,塩基性にして同様に回収することにより73.4%のタンパク質が回収できた。一方で,ゼラチンザイモグラフィーにより, 3種のプロテアーゼが認められ,これの活性は,塩基性にした後回収したものの方が高かった。本種利用の上で,回収工程におけるこれらプロテアーゼの不活化の必要性が示唆された。 (LC. Sun, K. Kaneko, E. Okazaki, MJ. Cao, H. Ohwaki, WY. Weng, K. Osako) |
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2012.11 |
Food Science and Technology Research, 18(6), 835–842. |
ガンガゼの有効利用法開発の一端として,長崎県沿岸海域で採取された本種の生殖腺中の遊離アミノ酸組成の周年変動を明らかにした。グリシンおよびアラニン含量は6月に最も多く,周年で呈味性が特に優れることが想定された。各月のガンガゼ生殖腺と同遊離アミノ酸組成のエキスを調製し官能検査に供したところ, 6月に採取されたガンガゼ生殖腺が有意に好ましいという結果が得られた。また,6月に採取されたガンガゼ生殖腺と一般に食用とされるウニ生殖腺の合成エキスについて官能検査を行ったところ,好ましさに有意な差は見られなかった。 (K. Kaneko, H. Matsumoto, T. Shirai, M. Kamei, E. Okazaki, K. Osako) |
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2012.10 |
Journal of Air Condition and Refrigeration Engineering, 29(3), 343–351. |
市販酢じめかまぼこの特徴を明らかにするために,これの一般成分(水分,粗タンパク質,粗脂肪,粗灰分,粗炭水化物),pH,白色度,物性,SDS-PAGE,および顕微鏡観察による微細構造を,加熱かまぼこである蒸しかまぼこおよびはんぺんと比較した。酢じめかまぼこの物性は蒸しかまぼこの物性と異なった傾向を示した。顕微鏡観察の結果,蒸しかまぼこと比較して,酢じめかまぼこ中の気泡は小さく,また少量であったが,このことは酢じめかまぼこの加熱を伴わないという,その特殊な製造工程に起因するものと考えられた。 (C. Chen, Y. Yasuda, S. Abe, L. Sun, E. Okazaki, K. Osako) |
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2012.06 |
Journal of Food Science, 77(6), E159–E165. |
スルメイカ外套膜筋から調製した可食性フィルム保存中の諸性状に及ぼす糖類(グルコース,フルクトース,グリセロールおよびソルビトール)の添加効果について検討した。グルコースを添加したフィルムは保存中に引っ張り強度が増大し,水蒸気透過性が低下した。グルコースを添加したフィルムは他のものと比較してSDS可溶化液への溶解度が低下した。以上のことから,グルコースを添加したものは保存中にMaillard反応を生じ,このことがフィルムの諸性状に影響を与えたものと考えられた。 (A. Leerahawong, M. Tanaka, E. Okazaki, K. Osako) |
2012.05 |
Fisheries Science, 78(3), 707–715. |
スルメイカ外套膜筋から調製した坐りゲルおよび酸誘導ゲルの形成に及ぼす有機酸塩およびそれに対応する有機酸の影響について検討した。クエン酸ナトリウムで調製した坐りゲルをクエン酸水溶液に浸漬して調製したゲルが最も高い破断強度を示したことから,これらの組み合わせが最も実用性があると推定された。 (B. Techaratanakrai, E. Okazaki, K. Osako) |
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2011.08 |
Fisheries Science, 77(6), 1061–1068. |
スルメイカの外套筋肉を用いて可食性フィルムに用いる適切な可塑剤を探索する目的で,グリセロール,ソルビトール,グルコースおよびフルクトースがフィルムの性状に及ぼす影響を調べた。還元糖を可塑剤とした場合,水蒸気透過性が低下(透過しにくくなる)したが,このことは還元糖を用いた場合,メイラード反応により,組織構造がより密になったことを示した。 (A. Leerahawong, M. Tanaka, E. Okazaki, K. Osako) |
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2011.05 |
Fisheries Science, 77(3), 439–446. |
スルメイカ外套膜筋から調製した酢じめかまぼこのゲル形成に及ぼす坐り条件の影響について検討した。酢酸浸漬前の肉糊の坐り条件が,最終的に得られる酢じめかまぼこのゲル形成に及ぼす影響が大きいことが明らかになった。 (B. Techaratanakrai, M. Nishida, Y. Igarashi, M. Watanabe, E. Okazaki, K. Osako) |
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2011.03 |
日本水産学会誌, 77(2), 230–236. |
酢じめかまぼこ製造時における卵白添加効果について調べた。卵白の効果の一つとしてプロテアーゼインヒビターとしての効果があることが明らかになった。 (阿部周司,雨宮弘和,田中宗彦,K. Limpisophon,半田明弘,大迫一史) |
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2011.01 |
Food Chemistry, 124(1), 177-182 |
スルメイカの外套筋肉を用いて可食性フィルムを製造した。イカ外套筋蛋白質の溶解度はNaClおよび有機塩類の添加にしたがって増加した。濃度2%以下では,有機塩類の中でクエン酸ナトリウムが最も強いタンパク質溶解能を持っていた。これらの結果は,クエン酸ナトリウムがここで調べた有機塩類の中ではイカ外套筋からの可食性フィルム製造の為に最も有効である,という事を示唆していた。 (A. Leerahawong, R. Arii, M. Tanaka, K. Osako) |
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2010.10 |
Food Chemistry, 122(4), 1095-1101 |
ヨシキリザメの皮から得られたゼラチンフィルムに及ぼす,脂肪酸添加の効果について検討した。ステアリン酸とオレイン酸の添加効果を比較したところ,水蒸気透過性ではステアリン酸にその抑制効果がオレイン酸よりも高く引っ張り伸び率の向上においてはオレイン酸よりもステアリン酸の方がその効果は高かった。 (K. Limpisophon, M. Tanaka, K. Osako) |
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2009.07 |
日本水産学会誌, 75(4), 695–700. |
酢じめかまぼこ製造時における卵白添加と坐りの影響について調べた。7割加水の冷凍すり身について、卵白の添加および坐りの工程が、酢じめゲルの形成においては必須であることが明らかになった。 (阿部周司,翁 武銀,田中宗彦,K. Limpisophon,大迫一史) |
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2009.07 |
日本水産学会誌, 75(4), 689–694. |
ガンガゼの呈味特性について調べた。ガンガゼが他の食用ウニと異なり不味いとされる理由に、グリシンおよびアラニンが極端に少ないこと、また、相対的に苦味アミノ酸が多いことが原因であることが明らかになった。 (金子浩大,白井隆明,田中宗彦,亀井正志,松本 仁,大迫一史) |
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2009.07 |
Fisheries Science, 75(4), 1055–1066. |
ハガツオに含まれるDHAについて調べた。 ハガツオを他のカツオ類に比較して沿岸回遊性であることが知られているが、これのDHA含量は他のカツオ類に比較して少なく、回遊生態がDHA含量に大きく影響していることが推察された。 (K. Osako, H. Saito, W. Weng, K. Kuwahara, M. Tanaka) |
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2009.06 |
Food Hydrocolloids, 23(7), 1993–2000. |
ヨシキリザメの皮から得たゼラチンで可食性フィルムを調製した。このフィルムは水蒸気透過性が非常に低いことが特徴的であった。さらに、これは紫外線および可視光線の光透過率も低い値を示した。これらのことから、ヨシキリザメの皮から得たゼラチンで可食性フィルムは、医療品や高脂肪食品に適用可能であることが明らかになった。 (K. Limpisophon, M. Tanaka, W. Weng, S. Abe, K. Osako) |
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2009.05 |
日本食品保蔵科学会誌35(2), 59–63. |
保存中のすり身フィルムの性状変化を検討した。すり身フィルムを保存中にタンパク質とショ糖が加水分解されて生じた還元糖との間にメーラード反応が生じ、それがフィルムの色調および物性に影響を与えることが推定された。 (翁 武銀,大迫一史,田中宗彦) |
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2009.02 |
Fisheries Science, 75(1), 233–240. |
すり身フィルムが有する脂質に対する抗酸化機能について調べた。その結果,40℃でのイワシ油の保存において、すり身フィルムは積極的にチオバツビツルのイワシ油からの生成を抑制していることが明らかになった。 (W. Weng , K. Osako, M. Tanaka) |
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2007.11 |
Food Science and Technology Research, 13(4), 391–398. |
フィルム形成溶液の加熱が,可食性フィルムの特性に与える影響を調べた。45,70,および100℃でフィルム形成溶液を過熱したところ,70℃および80℃で加熱したものが,MHCの分解を抑制出来,結果として,良好なフィルムの物性をもたらした。 (W. Weng, P. Y. Hamaguchi, K. Osako, M. Tanaka) |
2007.07 |
Food Chemistry, 105(3),996-1002. |
スケトウダラの冷凍すり身から調製した可食性フィルムの形成機構および物性について検討を行なった。すり身溶液中において,MHCの分解が起こり,その結果タンパク質中の疎水基が露出し,これが疎水結合を形成するため強固なフィルムが出来上がるということが明らかになった。 (W. Weng, P. Y. Hamaguchi, K. Osako, M. Tanaka) |
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2007.06 |
Fisheries Science, 73(3), 660-667. |
ムラサキウニ生殖巣中の遊離アミノ酸組成について,生殖巣の発達段階における雌雄における違いについて明らかにした。雌雄ともに生殖巣中のグリシンレベル(mg/100g)は発達に伴い上昇したが,卵巣中の上昇は精巣中のそれよりも顕著であった。 (K. Osako, A. Fujii, Y. Ruttanapornvareesakul, N. Nagano, K. Kuwahara, A. Okamoto) |