物流シミュレーション工学 授業科目物流シミュレーション工学 担当教員黒川久幸
対象課程流通情報工学科 単位2単位
開設時期3年次 後学期 曜日水曜日
開設時限1時限(08:50〜10:20) 教室教育用計算機室

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* 連絡事項

エクセルを用いた分析を行うための「練習データ」です。


* 概要

物流システムの設計・計画、あるいは既存の物流現場の分析を行うための手法について紹介します。例えば、現実の物流におけるモノや人の流れを計算機上にどのように表現(モデル化)し、何をもとに作業の良し悪しを評価していけばよいのかを学びます。なお、具体的なシミュレーションの実行では、Excelの操作方法を習得していることが望ましいです。

* 授業計画

月日内容
第1週(10/7)
第2週(10/14)
物体の運動

1.物体の放物運動
2.船舶の旋回軌跡
Excelの操作方法及び現実の現象を計算機上に表現(モデル化)することに慣れることを目的に、身近な物理現象のシミュレーションを行います。
---資料---
物体の放物運動(モデル式)
物体の放物運動(Excel)
船舶の旋回軌跡(モデル式)
船舶の旋回軌跡(Excel)
第3週(10/21)
第4週(10/28)
ランダムに発生する事象

1.ポアソン分布
2.指数分布
ランダムに発生する事象の単位期間中の発生回数や事象間の発生間隔について調べます。災害や事故が発生した際、我々は短期間の内に災害や事故が続けて起こるとは考えていません。これは、災害や事故がまれにしか起こらないという経験に基づいています。確率から見るとこの判断は正しいのでしょうか?シミュレーションにより調べてみましょう。
---資料---
ランダムに発生する事象(理論式)
ランダムに発生する事象(Excel)
第5週(11/4)
第6週(11/11)
第7週(11/18)
待ち合わせシステム

1.構成要素
2.基本的な単一窓口の解析(M/M/1)
3.多段階の待ち合わせ(生産工程)
コンビニのレジや駅の改札口などを例に、待ち合わせ問題として人の流れをモデル化する手法について学びます。レジを何台設置するとお客さんは余り待たなくてすむのでしょうか?シミュレーションにより考察してみましょう。
また、この章の後半では多段階の待ち合わせシステムの例として生産工程を取り上げ、各工程の処理能力の設定方法について学びます。
---資料---
構成要素及びケンドール記号
待ち合わせの事象(Excel)
基本的な単一窓口の解析(M/M/1)
多段階の待ち合わせ(Excel)
第8週(11/25)
第9週(12/2)
第10週(12/9)
生存競争モデル

1.捕食者と被捕食者の関係
2.外乱による影響
今回は少し変わったシミュレーションを行います。我々の身近な現象には、状態が常に変化し安定しないものがあります。ここでは、ライオンとシマウマの間における生存競争を例に個体数が安定しない現象を調べてみましょう。
---資料---
生存競争のモデル化
生存競争のシミュレーション(Excel)
血液型のシミュレーション(Excel)
人口推計モデル(Excel)
第11週(12/16)
第12週(12/23)
因果関係モデル

1.マクロ経済モデル
2.小売とメーカーの関係(返品制の商慣行)
あるシステムを形成する構成要素は、様々な要因によって相互に影響し合っています。先の生存競争モデルもその一例ですが、ここではその他のモデルについても見ていきましょう。
---資料---
計量モデル(マクロ経済モデル)
マクロ経済モデルのシミュレーション(Excel)
アパレル業界における返品制からみた商慣行の問題構造
第14週(1/20)
第15週(2/3)
EIQ分析を用いた物流業務の計画・改善

1.EIQデータ
2.EIQデータの分析
3.分析結果の活用
ノウハウに基づいて発見された問題を改善することがありますが、継続的な改善を行い、PDCAサイクルをまわすためには、関係者が共通の認識を持って取り組むことができる科学的な手法を有効に活用することが重要です。ここでは注文データ等から問題点の発見や改善策の検討を行う手法について学びます。
---資料---
EIQデータ
計測結果の記録用紙
計測結果のまとめ(提出用)
ピッキング作業の計測データ(2014年7月3日計測)
ピッキング作業の計測データ(2015年6月25日計測)
ピッキング作業の計測データ(2016年7月7日計測)
ピッキング作業の計測データ(2017年6月29日計測)
ピッキング作業の計測データ(2018年6月28日計測)
ピッキング作業の計測データ(2019年11月27日計測)
第−週(−/−)
データベース

1.リレーショナルデータベース
2.Microsoft Accessの使い方
コンビニのようなお店では、1000から3000アイテムの商品を取り扱っています。各アイテムの1日毎の売上を記録したデータだけでも30万から100万行の膨大なデータとなります。ここでは中小規模のデータベースとして最も一般的に使用されているリレーショナルデータベースについて、実際の物流データを用いて紹介します。
また、具体的なデータ処理では、情報処理センターで使用できるMicrosoft Accessの使い方を学びます。
第13週(1/13)
Excelのソルバーを用いた計画立案

1.もっともコストのかからない物流経路
2.人件費を最小に抑える従業員の勤務スケジュール
3.店の売り上げを伸ばすフェイシング
色々な業務をうまく遂行していくためには、事前の計画が重要です。ここでは、Excelのソルバーを利用して最適な計画を立案する方法を学びます。
---資料---
★従業員の勤務スケジュール(【Excel】
★商品ロケーションの決定(【説明資料】【Excel】
★生産計画の立案(【説明資料】【Excel】
★輸送問題の定式化(【説明資料】【Excel】
★共同輸送の定式化(【Excel】
★売場のフェイシング(【説明資料】
第−週(−/−)
重回帰分析を用いた需要予測

1.重回帰分析
2.Excelの分析ツール
実際の首都圏にある店舗の来店者数データを用いて重回帰分析を行います。来店者数に影響を与える要因として何があるでしょうか。曜日、気温、湿度などとの関係を調べてみましょう。
---資料---
重回帰分析の説明
分析用データ(Excel)
第−週(−/−)
ZARAのサプライチェーン・ネットワークに関する検討

1.SCNのモデル化
2.輸送時間と頻度の検討
世界有数のアパレル企業であるZARAを対象に、輸送が在庫や生産に与える影響について検討します。ここでの目標はモデル化を通じて、なぜZARAでは空輸による高頻度の製品配送が行われているのか、この理由を理解することにあります。また、Excelソルバーの使用方法についても説明したいと思っています。
---資料---
モデルの定式化
シミュレーション用シート(Excel)
第−週(−/−)
中心極限定理と欠品率の決定

1.中心極限定理
2.欠品率の決定
また、確率の話を続けます。在庫管理を行う際、需要のばらつきを正規分布と仮定して計算を行っていきます。なぜ、正規分布を仮定するのでしょうか?今回は、この大きな仮定について見ていきます。
そして、需要のばらつきを正規分布と仮定した場合の望ましい欠品率について考えます。顧客サービスから見た場合は欠品しないことが理想です。顧客サービス最大が企業経営における最適な意思決定なのか考えましょう。
---資料---
中心極限定理と欠品率の決定
中心極限定理と欠品率の決定(Excel)
第−週(−/−)
安全在庫の削減策

1.在庫の削減策
2.ポートフォリオ
顧客の購買行動をコントロールして需要のばらつきを小さくすることは困難ですが、管理の仕方を工夫することによってある程度、需要のばらつきを小さくすることが可能です。ここではこの管理のポイントについて学びます。
---資料---
安全在庫の削減策
ばらつきの性質(Excel)
第−週(−/−) レポート課題に関する相談

* 評価方法

授業態度(質問・発表等)を3割、レポートを7割として総合評価する。

* 連絡先

「教員室」:第4実験棟2階


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